図書館でかりた本の返却期限が迫ってたのであわてて読んだ本が、この装丁がとびきりかわいい『ののはな通信』でした。
女子校に通うののとはなの二人の往復書簡の形式をとる本です。
ののとはなは、お嬢様が通う女子高の生徒で、仲の良い友人から恋人になります。そしてある裏切りから別れる事になるのです。
その後の大学時代、それから20年の空白の期間を経て40代の現在にまで続くふたりの手紙のやりとりで構成されています。
女子高生の時には好奇心にみちた少女らしさだけでなく、若さゆえの潔癖さや残酷さがあり、大人になってからはいろんな出会いや体験を重ね成長した人のもつ深みが手紙を通して伝わってくるのです。
別々の道を歩む二人の魂の奥の方には、相手への愛がにあり、自分には大切な人がいるという事そして大切に思ってくれる人がいるという事、それが人を強くしているのだと感じました。
この本を読んで、自分自身の多感な頃を懐かしく思い出しました。授業中にまわした手紙。友人たちと過ごしたあの頃が今の私を作っている基盤のようなものになっているんだなと気付かされました。
その頃の何事にもまっすぐで真正面からぶつかっていた経験を経て自身の基礎ができ、その後の人生の選択を繰り返して今がある。そう感じるのです。
互いに愛し合い傷つけ合いながらも、心のつながりがずっと続き互いの存在が力になりそれぞれに歩み続ける、そんなののとはなにエールを送りたくなります。