辻村深月さんの『家族シアター』を読みました。
家族にまつわる7つの短編の本です。
家族って一番近い存在だからこそ反発したり素直になれなかったりする、きっと誰もが経験したであろうほろ苦い気持ちを思い起こさせる本でした。
個人的には、そこつつかれると一番響いてくる部分で弱点かもしれない。。。
姉妹の話が2編あるのだけど、その二つともがとても好きでした。
姉妹ってきっと同性だからこそなおさら相手のことが気になっちゃう。そして勝手にコンプレックスを抱いてしまったり。
そして、相手も同じように別のことでコンプレックスを持ってしまっている。
それって、相手のこと認め合ってるってことなんだけど、そんなこと認めたくない。。
複雑。。。
帯に”大好きだけど大っきらい”書かれていて、まさしく!って思いました。
私自身は、ひとつ上の兄がいるのですが、年が近いってほんと厄介!
小学校も中学校もほとんど兄がいるんですよー。いやだったーー。
しかも男ってだけで偉そうだし。親も男尊女卑やし。
自分は友達に兄のことを悪く言ったりして愚痴るんですけど、それに友達が同調して兄のことを悪く言ったりするのはなんかムカっとしちゃうんです。
私ってめんどくさい。。。
いやー、兄妹ってなんなんでしょうね。
そんな喧嘩ばかりしていたあの頃を思い出してほろ苦い気持ちでいっぱいになりました。
この本を読み進めながら、そのころの自分を大人になった今の自分が、そんなこともあったねって、一つ一つ受け止めてあげて許してあげてる気分になってきました。
うまく伝えられなかったけど、それでいいんだよ。って。
あと、おじいちゃんと孫の関係を描いた物語は涙が止まらなくなりました。
友達づくりが苦手で、自分に自信が持てない女の子が、遠く離れた地から引っ越してきておじいちゃんと一緒に暮らすことになりました。
新しい学校でも友達関係で悩みが尽きず涙を流す日も。
でも、そんな女の子が切ない気持ちをグッとこらえながら、でも好かれようと努力して、それでもなんだかうまくいかなくて、弱気になったり、頑張ったりしている姿が本当に泣けてくるんです。
おじいちゃんとの関わりもお互いあぶなっかしいんだけど、ちゃんと心の奥で繋がってて、それが通じ合えた時、あああーん、号泣です。
目のまわりが熱持って真っ赤になるので注意です!
どの話も、家族だからこそって言う距離感がうまく描かれていて、ぜひ読んでもらいたいオススメの1冊です。
子どもの頃、うまく言葉にできなかった気持ちがいっぱい詰まっている一冊だと思います。