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【読書記録】さざなみのよる 木皿泉

木皿泉さんの本は初めて読んだのですが、

言葉の選び方や使い方が柔らかく、それでいて的確に雰囲気まで伝わってくるようで素敵な文章だなと思いました。

 

 

『さざなみのよる』

若くして病気で亡くなってしまう女性の話と、その女性に関わるいろんな人の話です。

その女性の視点で書かれている話から始まり、夫、姉、おばあさん、それから友人たちなど多くの人の視点で書かれている短編が続きます。

一つ一つの話は独立しているのですが、それぞれが関連しあい一人の女性の人生が引き出されていくような構成になっています。

 

 

 

そう遠くにない死を受け入れるまでの揺れだとか、いよいよ死が目の前にあるときの気持ちだとか、まるで経験したことがあるかのようでした。

そんな文章が書けるってすごいなぁ。。

 

 

本を読んで一番強く感じたことは、生きることは人と関わりあうことだということです。

 

良い人も悪い人もいろんな人がいて、喜んだり悲しんだり楽しかったり怒ったりいろんな感情をもち、いろんな状況にある。

自分自身も同じようにいろんな感情や態度をとったりする。

そしてお互いに関わり合うことで、相手に何かしらの小さな変化をもたらす。

良い方向にも、悪い方向にも。

 

女性は、自分が信じる通りの行動をして生きていた。

相手のことを思いいやる心を持っていた。

 

だからこそ関わった多くの人は、その女性から勇気をもらったりまた前を向いて歩みだす。

 

 

 

人と人がきちんと向き合っていくのが生きていくことなのかもしれない。

ひとりで生きているのではない。

相手とのつながりの中で、心の中に何かを残している。

その残した何かが、その人を勇気づけ幸せになれる方に、力を与えてくれる。

 

そんな何かを残せるような人でありたいなぁ。

 

 

 

どの短編も温かな気持ちにさせてくれます。

そして、相手の心に何かが残っているのであれば、生きていることと死んでしまったことの境界はひょっとしたら薄れてしまうのではないかと思えてきます。