少し前に読んだ本です。
忘れる前に簡単に記録します。
娘のお気に入りの作家さんで、ここのところ立て続けに同じ作家さんの本を読んでいます。
今回読んだのは本屋大賞2020にノミネートされている『ムゲンのi』 という本で、著者は知念実希人さん。
この方は、お医者さんでもあるので、医療系の描写がリアルで、殺人の様子や怪我の描写がとにかく痛みまでこちらに伝わってきます。
痛みが伝わるとこちらまで身がよじれる思いがして、体力消耗します。
元気なときに読むのがおすすめの本ですね。
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主人公は、まだ若い女性のお医者さんです。
眠り続けるという原因不明の病気を、同時に4人の患者が発症して入院することになります。
そのうちの3人を担当することになり、その難病を抱えた患者を治療していくというお話。主人公の医者自身も幼い頃のトラウマを抱えていて、その原因となった事柄も大きく関係してくることになります。
一人ひとりの患者の発症原因を探り、克服させていくことで治療をするというストーリーですが、それぞれの患者が背負っている人生が悲しすぎて、それでいてどうしようもなくてこちらもズドーンと重みが押し寄せてきます。
一人ずつに向き合って、克服して、そうしてついに最後の4人目の患者さんへ。
そこで思いも寄らない展開になっていきます。
いや、それまでも充分に思いがけない展開で予想できないお話なんですが。
主人公自身の人生をも振り返りつつ、そこにある目をそらしたくなるような事実にも向き合い克服し成長する。正面から受け止めて乗り越えたときに初めて気づく本当の真実。
患者それぞれの人生が、全く関連していないようでいて実は関係が繋がっていたりして、最後には加速していくように真実が繋がっていき隠された事実を明らかにしていく。
抱え切れないほどの悲しみを抱えているけれども最後には救いがある、きっと彼女も彼女に救われた患者も前をむいて歩いて行けるようになる、そんなお話でした。
とても面白かったので、体力あるときに読んでみてください。